マスターの心得

24高段者の将棋を見ていて概ね共通していると思った特徴をまとめました。彼らには棋力云々よりも、もっと大切なものが備わっていそうです。




・決めつけない

これが最大の特徴。僕が認識する限りでは、彼らは手拍子や手くせで指すことがほとんど無い。レートが高い人ほど30秒をぎりぎりまで使って考える。
(そしておそらく相手の手番でも考えている)

博識なのに知識に頼ることをしない。彼らの将棋はクリエイティブで、常に「創造」がある。



・妥協しない

常に「最善」を追求している。優勢で普通に指して勝てる局面でも、完全に叩き潰すための工夫をする。
どうやら、彼らは「目の前の勝利」だけを見据えているわけではないらしい(神や化物とでも戦っているのだろうか)。

とりわけ歩を利かせるタイミングなどは非常に参考になる。



・勇敢

「積極的に攻め、積極的に受ける」を体現している。

(前にも書いた気がするが)自分が楽をするよりも、相手に楽させないことを意識している。目先の安全を追わず果敢に勝負する。

受けは消極的になるよりも、一定の攻勢を取る方が成立することが多いのだろう(適度な運動が健康を保つのに似ている)。



・相対的  

「10の利益」を得るよりも「9の損害」を与える。

例えば「堅さで勝つ」ことを目指す場合、ただ自分が堅めるよりも、相手を崩して相対的に堅くすることを重視している。

ただ堅めるだけが堅さを得る方法ではないことを教えてくれる。



・リスペクトデュエル

相手を信頼し、ミスに期待しない。それでいて、それ以上に自分を信頼している。指し手から自分(の力)への信頼が伝わってくる。




とりあえず以上です。何というか、彼らの将棋を見ていると将棋以外でも色々と教わっている気がします。「一時の衝動で動くな」というような。


僕は24で観戦するときは六段(2600前後)の方の将棋を見ることが多いです。2800とかになると強すぎて意味が分からないことが多いのでw


また気がついたことがあれば記事にしてまとめます。ではまた。


(24高段者はチェスで言えば最低でもCandidate Master 以上と思われるので「マスター」でも問題ないよね多分)